身をもって知った自主防災の大切さ

「東京防災ブック」作成の狙い

もくじ

防災管理課トップのコメント

まず、正式には「防災ブック『東京防災』」と称する約323ページの防災対策啓蒙書を東京都が作成した狙いについてですが、2015年9月26日に放送されたNHK総合チャンネル「週刊ニュース深読み」前半の「『しっかり!ニュースコーナー』内の『都が全世帯に配布、防災ブックの狙いは?』」で、東京都防災管理課長の船川勝義さんは次のように語っていました。

"(1)もしこれを暇がなくて読めなくても、何かのときに、これを持って、すぐに持ち出して、一緒にこれを持って逃げられる。いわゆる常備薬と同じように、防災の指針として、一家に一冊備え付けてもらいたい。

(2)本当に大きな地震なり災害って、起こった場合、消防とか警察とか助けに行くといっても、そこにはやはり時間的に少しロスっていうものがあります。生き延びる。そういうものを、努力をして欲しい。知恵も備えて欲しい。

(3)「金額的には大きなお金なんですが、一冊当たりにするとコーヒー一杯にもいかないぐらいで一人一人の防災意識を高められる」っていうことで、この「東京防災」を通してですね、やはり防災に関する関心を持ってもらって、持つだけじゃなくて自分ができる身近なことから、今日から、今から、そういったものを始めていただきたい。"

また、このインタビューを補足するかたちで、高井正智アナは「今の船川勝義課長なんですが、『ただ"防災力を高めてください"と理念を語るだけではなかなか行動してもらえない。ですから具体的な方法を紹介することで行動に移して欲しい』と話されていました」とコメントしていました。

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狙いどころの良いガイドブックの作成

確かに、印刷と配送にかかった費用だけでおよそ20億4000万円ということですから、「(この本の284ページにある『全国から見た東京』に書かれている)東京都の一般世帯数=638万世帯」で割ると、638万冊を一冊当たり320円で作成したという計算になりますけれども、
(1)一般の出版物であれば販売見込部数から割り出される許容製作経費との見合いでこんなに多くのイラストを入れられないでしょうし、
(2)情報量も多いカラーの動画ゆえに視聴者に分かりやすく伝えられるテレビ番組では放送時間枠に限りがあるので部分的な防災対策情報しか盛り込むことができませんし、
(3)なによりも「お金や時間を割いて防災対策を学んでみようと思っていない人々」にまで行政上の措置として強制的に送り届けて防災対策を考えてもらうツールになっているのですから、
「本当に狙いどころの良いガイドブックの作成であった」と私は思います。